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read’しあわせの哲学’

この本では様々な哲学者の有名な言葉を引用し、それをわかりやすく落とし込んだ本である。いま現状で何か不満などを持っている人には何か刺さるものがあるんじゃないかなぁって本です。

4章までは、しあわせの条件というテーマでどんな幸せの類があるか、どのように行動し考えたら良いかを説明。最後はニーチェを引用し、”喜びを汲み取ろうとする姿勢があれば幸せになる”と締めた。

私たちの欲望と能力の間にこそ、私たちの不幸がある。その能力が欲望と等しい状態にあるものは完全に幸福と言えるだろう。

ルソー エーミール (上)

公園で遊ぶ子供を見守る親のように、安全な基地(セキュアスペース)が大人にも必要。励ましや手助けが必要なときにはいつでも利用できるが、そうでないときは積極的に介入してこない。そんな心理的安全性。

そなたたちはかつてなんらかの喜びに対して「イエス」と言ったことがあるだろうか。もしそう言ったとすれば、そなたたちは一切の苦悩に対しても「イエス」と言ったことになる。一切の所有物は鎖で、糸で、愛でつなぎ合わされているのだから。

ツァラトゥストラはかくかたりき 第四部酔歌

これは僕の「今がハッピーだから過去の選択も苦悩も万事必要なことだったので後悔はない」思考に似ている気がする。

read’世界一流エンジニア思考法’

メモを書き起こします

効率よく成果を出すには
・時間・行うタスクを絞ることで最大のパフォーマンスを出すように。
 やらないことを見つけることで、より価値の高い行動に集中することができる。(= lazy)
・1日4時間は自分用の時間として予定をブロックしておく。
 「(会議等で)集中してプログラミングできない」ということを避けるため。
・自分にその分野のメンタルモデルやコンテキストがなければ、すぐに詳しい人に聞いた方が良い場合が多い
・回答者に大きな工数がかかるような質問であれば、自分で調べた方が良いが、そうでない場合、聞いた方が効率が良い。どんな質問であれば早急に回答ができるかを事前に聞いてみるのも手。
・自分が知らない時ほどリプロする(リプロってなに)

記憶術
コーネルメソッドを活用する
・会議に対する記憶媒体を”頭の中だけ”にするには、「後で人に説明する前提で理解する」
 理解するために、ビジュアルのイメージやメンタルモデルを(頭で)作りながら聞く


よいコンディションで働く
・テストステロンが高まると、抑うつ・イライラ・不眠のような更年期特有の症状から解放されやすい。筋トレをする・肉や玉ねぎを食べるといった改善や、テストステロンブースターのようなサプリを摂るのも良い。

read’リーンスタートアップ’

読んだのは1ヶ月前で、大遅刻の書評。


アイデアを構築して製品に、製品をアーリーアダプターに問い(リサーチ)、計測し、データを得、そこから学び、アイデアに反映させる。構築・計測・学習のフィードバックループ。MVPは最悪動画等でも良い。

計測時には比較となるベースラインが必要。粘着型(マイクロソフトのように切り替えに莫大な労力がかかるモデル)、ウイルス型(Facebook、Paypalなど)、支出型(広告など)といった種類によって、どの数字を計測するのかが変わる。

この手法は、”ある機能・サービスを構築するのに大きなコストがかかる”場合に極めて有効な手法だと思う。生成形AIの台頭で、良いものがパパッと作れるようになると、ベストプラクティスも変わってくるんじゃないかな

read’夏物語/川上未映子’

性交渉が嫌いな独身貧乏小説作家が自分の子供に会いたい(産みたい)と願う話

いくつかテーマがあり、どれも重たいものを扱っている。(反出生主義、負の性欲、非配偶者間人工授精(AID)とか) しかし、主人公を中心に、さまざまな登場人物の意見を聞くことができるのでとても勉強になった。

「それは誰のための賭け?」産まれてくる赤ちゃんが幸せになるか不幸になるかわからないけど、産みたいから・会いたいから子供を産む。この世に生み落とされ1時間痛みを感じ続けて亡くなる場合だってある。そんな”痛みの塊”として産まれた赤ちゃんに対して、「でも産まれてきてくれてありがとう」と母は言う。一体誰のための「ありがとう」なのか。  色々考えさせられた小説だった。

自分は当たり前のように心優しく仲の良い両親がいて、大人になっても仲が良く、時には援助してくれる。そんな両親のもと生きている 恵まれた人間である。登場人物たちのような人生は送っていないからこそ、小説を通してもっと色々な人を知りたいと思った。

read’Z世代: 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?’

30人ほどの協力者(Z世代)への調査を基に、著者の分析・考えを述べた本。Z世代が何を考えているのかわからないという方であれば、読んでみると理解が進むと思います。全体的に深い内容ではなく、Z世代の価値観やトレンドを並べて名付けている本という感想。

read’ワンルームエンジェル’

虚無な人生を送っている(根は優しい)元ヤンフリーターと、そこに舞い降りた翼の生えた男子高校生との生活。非常にプラトニックな愛を描いたコミック。読み終わった後、心が軽くなったような気持ちになる。

愛だ恋だの浮ついた話ではない。お互いがお互いを大切に思い、お互いの過去を知り、支え合い、どこまでもついて行くからいなくならないでほしい。そんな話。

表情を描くのが非常に上手いので、1コマ1コマ大切に読み進めてほしい。

read’インターネット・ラヴ!’

初めてBLというジャンルの本を読みました。本書がきっかけでクィア(Queer)を知ることができました。えっちなBL要素が限りなく少ないコミックです。

「SNS中毒者(ノンケ)&その人を長年ネトストしている人(クィア)」がメイン登場人物という現代らしい一冊。仕事仲間や親・元カノなど、周囲の方々がとても優しく、「こういう人間関係をみんな作れれば良いな」と思える一冊。

「責任を背負えばできなくなることも増えてくる。人生は短い。」というお父さんの言葉、響きました。

今でいう同性愛というのが多数派だった時代もあり、男の友情の延長線という考え方もある。不必要な区別はない方が悲しむ人が少なくて良いなあ。

read’なぜ、TikTokは世界一になれたのか?’

Tiktokとその運営会社であるBytedanceの歴史を紐解いた一冊。

たとえ倫理違反であっても、勝つために有効な手段を迅速に実行することで掴み取った地位。「レコメンド技術によって、人々が情報を得る手段が大きく変化する」ことを察知した創業者の慧眼。

技術面での要因

キュレーションの分野では、機械学習は人間に及ばないと思われていたのだが、そこを覆した。これを成し遂げた背景は、レコメンド技術にいち早く着目した創業者が、レコメンド技術で覇権を握れるように社外から優秀なエンジニアを雇い、社内へ知見を共有・発展させたからである。このレコメンド技術のおかげで、幅広い年代・属性のユーザーに適切なshort動画を配信できた。

また、タイミング的に、インフラ面の発展と相性が良かった。安定した4Gが広く利用できるようになったタイミングだったので、スムーズさが大切な”動画主体”かつ”短時間利用”のアプリと相性が良かった。

複数のアプリを同時にリリースして、市場テストを行えるほどの”速い”技術力。

従来のアプリ(vineなど)と一線を画すフロントエンド(動画の見せ方)。

マーケティング面での要因

「クリエイターを王族のように扱う」オペレーション。早期利用者や活発なコンテンツクリエイターを特別扱いする。食事をご馳走しながらアプリの意見を聴くことで、ニーズの把握、良好な機能改善を続けた。

誰でも参加でき、ブームに乗り遅れないようにさせる「チャレンジ」(例:アイスバケツチャレンジ)、自分をよく見せたいというニーズに応えられるフィルター・音楽という様々な戦略に支えられている。いかに興味を惹き、ハードルを下げ、クリエイターを量産するか。


read’マーケティングプロフェッショナルの視点’

マーケティングプロフェッショナルの視点・思考を戦略・マーケティング・ブランドという3つの構成で論じている。

特に印象に残った話は「ネクタイは万年筆の競合になりうる」というもの。万年筆の競合を思い浮かべると、ボールペン・シャープペンシルという『書くための文房具』という分類での競合を挙げる。しかしそれだけではなく、PCやタイプライターも『考えをアウトプットするための媒体』という分類では競合であるし、ネクタイは『知的な贈呈品』という分類では十分に競合である。

あるモノに対し、それをどういう分類とするかで競合も変化する。HP制作の競合でいうと、SNSは言わずもがな『アウトプットの場』という分類では競合であるし、紙面広告(チラシ)も『商品紹介』という分類をすれば競合となり得る。

多数に分類できるビジネスほど、競合は多数存在してしまう。

read’教育は遺伝に勝てるか?’

調査結果を基に、遺伝がどの程度子供の能力・精神に影響を与えるのかを論じている

一卵性双生児と二卵性双生児を調査対象とすることで、遺伝なのか育った環境なのかを切り分けることができる。育った環境は同じだけど、遺伝子は違うという感じの対照実験です。

結果として、IQ・EQや依存体質だけではなく、好きなもの・ことなど、非常に多くのものが遺伝によって決まっており、「誰がどう育ててもある程度子供は同じように育つ。」ということが明言されています。

自由な環境であれば遺伝が羽ばたけるので大きく顕在化するし、制約が多いなど厳しい環境絵は育つ環境の影響が大きいようです。ネグレクトなど、真っ当ではない環境でない限り、遺伝通りに育ちます。

環境によって遺伝が顕在化したりしなかったりするので、教育自体は必要である。

親としては、経済的・心理的に負担にならないように、家が居場所であり続けてくれるように温かい家庭を築くことができたらなと思います。(親じゃないんですけどね)