性交渉が嫌いな独身貧乏小説作家が自分の子供に会いたい(産みたい)と願う話
いくつかテーマがあり、どれも重たいものを扱っている。(反出生主義、負の性欲、非配偶者間人工授精(AID)とか) しかし、主人公を中心に、さまざまな登場人物の意見を聞くことができるのでとても勉強になった。
「それは誰のための賭け?」産まれてくる赤ちゃんが幸せになるか不幸になるかわからないけど、産みたいから・会いたいから子供を産む。この世に生み落とされ1時間痛みを感じ続けて亡くなる場合だってある。そんな”痛みの塊”として産まれた赤ちゃんに対して、「でも産まれてきてくれてありがとう」と母は言う。一体誰のための「ありがとう」なのか。 色々考えさせられた小説だった。
自分は当たり前のように心優しく仲の良い両親がいて、大人になっても仲が良く、時には援助してくれる。そんな両親のもと生きている 恵まれた人間である。登場人物たちのような人生は送っていないからこそ、小説を通してもっと色々な人を知りたいと思った。