Tiktokとその運営会社であるBytedanceの歴史を紐解いた一冊。
たとえ倫理違反であっても、勝つために有効な手段を迅速に実行することで掴み取った地位。「レコメンド技術によって、人々が情報を得る手段が大きく変化する」ことを察知した創業者の慧眼。
技術面での要因
キュレーションの分野では、機械学習は人間に及ばないと思われていたのだが、そこを覆した。これを成し遂げた背景は、レコメンド技術にいち早く着目した創業者が、レコメンド技術で覇権を握れるように社外から優秀なエンジニアを雇い、社内へ知見を共有・発展させたからである。このレコメンド技術のおかげで、幅広い年代・属性のユーザーに適切なshort動画を配信できた。
また、タイミング的に、インフラ面の発展と相性が良かった。安定した4Gが広く利用できるようになったタイミングだったので、スムーズさが大切な”動画主体”かつ”短時間利用”のアプリと相性が良かった。
複数のアプリを同時にリリースして、市場テストを行えるほどの”速い”技術力。
従来のアプリ(vineなど)と一線を画すフロントエンド(動画の見せ方)。
マーケティング面での要因
「クリエイターを王族のように扱う」オペレーション。早期利用者や活発なコンテンツクリエイターを特別扱いする。食事をご馳走しながらアプリの意見を聴くことで、ニーズの把握、良好な機能改善を続けた。
誰でも参加でき、ブームに乗り遅れないようにさせる「チャレンジ」(例:アイスバケツチャレンジ)、自分をよく見せたいというニーズに応えられるフィルター・音楽という様々な戦略に支えられている。いかに興味を惹き、ハードルを下げ、クリエイターを量産するか。