read ‘黄色い家/川上未映子’

貧しい家に生まれた少女、懸命に自分の力で生きようとする少女が壊れていく話。600ページの長編小説ではあるが、それを感じさせないスピード感で最後まで駆け抜ける。

学校にも行けず、友達もいなかった主人公。閉塞的な環境で育ったがゆえに思考力が貧困であるが、まともなではある。そんな主人公に毒親などで悩んでいる少女達と友達になる。最初はただの友達だった少女達だが、カード詐欺を経て、責任感の強い主人公がリーダー役になってしまい、役割が人を狂わせる。どこで狂ってしまったのかわからない程、少しずつ狂っていく。

現代も立ちんぼが社会問題となっており、それを批判したり嘲笑したりする人もいるが、”ただ自分がそういう境遇でなかっただけ”なのかもしれないということを念頭に置いて考える必要があるのではないか。

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